平成26年度 第1回地域再発見講座 八ツ山地区

津市白山公民館では昨年に続き「平成26年度地域再発見講座」が開催され、5月21日白山道しるべの会が案内しました。
第1回は八ツ山地区で「稲垣歴史探訪」題し、稲垣地区にある山城『稲垣城址』へ登り、その後天台宗『宣下山萬福寺』境内にある石造物を中心に探訪しました。

講座概要

探訪場所

三重県津市白山町稲垣 (地図末尾

開催日時
平成26年5月21日(水)9:30 ~ 12:00
主   催
白山公民館
講   師
白山道しるべの会

探訪場所の概要

稲垣城址(いなかけじょうし)
  • 所在地津市白山町稲垣字中山(宣下山萬福寺東)
  • 現  状山林
  • 遺構等曲輪、土塁、堀切
稲垣城址《中山 通称城山)

稲垣城址《中山 通称城山)

当地方は、美杉多気に拠点を置いた北畠氏の支配下にあり、領地を守る最前線の雲出川北岸に位置しており、戦国時代には異変に備えるため家臣によって多くの城が築かれています。
北畠氏の北辺の砦である稲垣城は、「宣下山萬福寺」の東にある中山の丘陵の突端部(とったんぶ)にあり、城主 河原田相模守実秀(かわらださがみのかみさねひで)が享禄2(1529)年北畠氏から稲垣の地を与えられて山城として築いています。
その子隆秀は蒲生氏郷(がもううじさと)に攻められ、その後は氏郷方に内応した岡村修理亮(しゅりのすけ)の居城となっています。


山城の形態

稲垣城址-縄張図1

稲垣城址-縄張図1

稲垣城址-縄張図2

稲垣城址-縄張図2

正に山城、土の城で、三方断崖、山の頂上で城の中心は21×26m位の削平された方形の曲輪(郭、くるわ)で虎口(こぐち)と称する出入口があり、二つ目の小型の曲輪に繋がっています。
その周りは、土を盛り上げた土塁(どるい)で囲み、尾根を深く削り取った堀切(ほりきり)がみられ、全体に堅固を極めています。(中山の北東より細い道あり)

稲垣城址-曲輪(くるわ)

稲垣城址-曲輪(くるわ)

稲垣城址-虎口(こぐち)

稲垣城址-虎口(こぐち)

稲垣城址-土塁と曲輪1

稲垣城址-土塁と曲輪1

稲垣城址-土塁と曲輪2

稲垣城址-土塁と曲輪2

稲垣城址-堀切1

稲垣城址-堀切1

稲垣城址-堀切2

稲垣城址-堀切2

稲垣城址-堀切3

稲垣城址-堀切3

稲垣城址-南面-断崖

稲垣城址-南面-断崖

この城も不幸な戦国乱世時代に遭遇し、現在は私有林として植林されておりますが、四角城壁を囲み今もそのまま歴史ロマンを秘めながら存在しています。


宣下山萬福寺境内にある石造物
萬福寺-正面

萬福寺-正面

萬福寺-遠謀

萬福寺-遠謀


萬福寺-板碑形五輪塔

萬福寺-板碑形五輪塔

板碑形五輪塔

萬福寺の板碑形五輪塔は、高さ105cmとかなり大きなもので、地輪の正面に「寛永18(1641)年2月3日建立」とあり、板碑形としては珍しい五輪等です。
上部から空輪(宝珠形)、風輪(半円)、火輪(三角)、水輪(円)、地輪(四角)の五輪にそれぞれ梵字画が書かれています。


萬福寺-妙運発願-地蔵さん

萬福寺-妙運発願-地蔵さん

東京上野寛永時 妙運発願「八万四千体の地蔵さん」

この萬福寺には、明治12年当時東京上野寛永寺36坊のひとつ、「浄名院」にいた妙運という尼さんが「八万四千体の地蔵さん」の建立を発願され、その611番目のご縁のある地蔵さんがあります。


萬福寺-庚申さん1

萬福寺-庚申さん1

庚申さん

「人の体内に三尸(さんし)と言う虫が、60日毎に回ってくる庚申(かのえさる)の夜、天に昇って、その人の罪過を天帝に告げる貯め、生命を縮める」とする中国の道教の教えがあります。庚申の夜は眠らずに言行を慎み、健康長寿を祈念する信仰で、それが庚申講です。

萬福寺の庚申搭は、塔婆(とうば)状で傘石を乗せた111cmと大きく半肉彫りの顔は一つ、手は6本、一面六臂(いちめんろっぴ)の青面金剛立像(しょうめんこんごうりゅうぞう)で、享保10年に建立されています。

萬福寺-庚申さん2

萬福寺-庚申さん2

萬福寺にはもう一体庚申搭があり、半肉彫りの顔は3つ、手は6本の三面六臂(さんめんろっぴ)の全高100cm位とかなり大きい青面金剛立像です。

稲垣墓地の地蔵菩薩
稲垣墓地-地蔵菩薩

稲垣墓地-地蔵菩薩

稲垣区の中ほどで、八対野橋近く、垣内川の東畔に区の古い墓地があります。そこに、石の祠の正面を深く掘り込み、像高98cmの大きな地蔵菩薩が見られます。
石の祠の屋根に宝珠を乗せ、左手は頭の大きい錫杖を握っている厚肉彫りの立像地蔵さんです。下部は、線で蓮弁が刻まれ連座になっています。
文亀2(1502)年の建立と刻まれ、510年以上の白山町最古の貴重な地蔵菩薩と白山町石造物調査会は認めています。

平成24年度 第4回わが町発見講座 八ツ山地区

  第4回わが町発見講座は、津市白山町八ツ山の山田野地区を探訪しました。集合場所の山田野集会所を中心に半径400mには、山田野白山比咩神社や東光山薬師寺をはじめ気軽に散策できる名所旧跡が幾箇所か存在し、訪ねることができました。
  また、地元の方しか知らない磨崖佛も訪ねました。

講座概要

探訪場所
三重県津市白山町八ツ山(山田野地区)(地図末尾
開催日時
平成24年10月17日(水)9:30 ~ 12:00
主   催
白山公民館
講   師
白山道しるべの会

探訪場所の概要

裏薬師さん(東光山薬師寺)
薬師如来像縁起の説明

薬師如来像縁起の説明

薬師如来像縁起

薬師如来像縁起

  行基菩薩が聖武天皇の命により開祖した官寺の通称「前薬師さん」、東光山薬師寺の境内に立つ「薬師如来像縁起」の前で講義に聞き入る参加者の皆さん。当日は、雨が降っていました。

鯖(さば)大師

鯖(さば)大師

  庫裏の仏間には、本尊の「阿弥陀如来立像」と三十三体観世音菩薩像が安置されており、その左前列には「鯖大師」が祀られています。

版画絵本「転読さん」

版画絵本「転読さん」

  当寺には『大般若経』600巻が保持され、正月とお盆に「転読さん」と言って僧侶を始め山田野区の役員の方々による転読が行われます。
この転読は、山田野地区で一揆で処分されたり、亡くなった人々への供養でもあり、山田野生まれの岡田紗月木さんご夫婦によって農民一揆の悲哀と大般若経の由来とともに創作民話として版画絵本「転読さん」が出版されています。

三角点
桑原の常夜灯と三角点

桑原の常夜灯と三角点

  

山田野白山比咩神社
参籠所での講座

参籠所での講座

拝殿と奥の本殿覆屋

拝殿と奥の本殿覆屋

  白山七社の一社である「山田野白山比咩神社」では、宮司さん自らが講師となって話をされました。

前薬師さん
前薬師堂

前薬師堂

岸壁の祠の石仏

岸壁の祠の石仏

  今回の探訪コースの南に「前薬師さん」があります。
階段を上った岩壁の境内には、格子扉の奥に祀られた石仏3対が見られます。また、その奥には磨崖佛として「薬師如来」が安置されています。

風呂や川目無し地蔵さん
風呂や川目無地蔵さん

風呂や川目無地蔵さん

  前薬師さんより200mぐらい東の山田野川岸に「風呂や川目無し地蔵さん」があります。
地蔵さんの脇に「八万四千体の内九番目」と彫られており、天台真盛宗伊勢教区資料から「明治12年当時、東京の寛永寺三十六坊の一つ浄名院の妙運という方が八万四千体の地蔵さんを建立を発願されたご縁による有り難い地蔵さん」と思われるそうです。